このプロジェクトは1997年に
「高齢者介護で利用するレクリエーション用の遊具が欲しい」
という現場の声をきっかけに誕生しました。
Smile Factoryの、ものづくりのポイント
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とにかく現場の声を
課題も、それを解決するための手段も、すべては現場にあります。ていねいに観察することで方法が見えてきます。
第一に考える -
自分だけで解決しようと
どうすればよいか、相手と相談しながら手探りでヒントを集めていきます。すぐにできなくても、時間をかけて解決方法を探します。
しない -
目的と対象をきちんと
誰が使うのか、どういう風に使うのか、どんな効果が期待できるのかをきちんとふまえた上での物作りをするよう心がけています。
設定すること
商品作りをする際は、何度も現場に通って、意見や要望を聞き、
少しづつ改良をかさね、現場の要望に最大限応えていくというスタイルで作り上げていきます。
一つずつ丁寧に聞きとりながら、商品開発の方向性を探っていきます。
なぜ今、介護遊具が必要とされるのでしょうか。
「介護遊具」とは、デイサービスなどのレクリエーションで使われています。
主に認知機能や身体機能の維持のために、遊びを通じたリハビリを提案するものです。
身体・認知機能の維持
- 知的好奇心を満たし健康寿命を延ばす
- 遊びを通じたコミュニケーション促進
- 考えることで脳を活性化させる
- 身体を使うことで身体機能の維持促進
介護現場からの要望
- 道具を考え手作りするのに時間がかかる
- すぐに壊れてしまう
- 同じものばかりで飽きてしまう
- 子ども用の知育玩具では物足りない
- 材料費がそれなりにかかる
介護遊具の必要性と将来のビジョン
介護遊具をとりまく現状
昨今、デイサービスで提供するレクリエーションの為のコンテンツが不足しています。レクリエーションにはお金をかけず手作りするという文化が根強くあり、現場の介護スタッフがアイデアを出し、残業になっても制作をするという現状が続いています。また、いつも同じようなレクリエーションで、飽きてしまったり、すぐに壊れてしまったり、と、身体機能やコミュニケーションのために欠かせないはずのレクリエーションの時間が上手に使えていないのが現状です。
介護遊具が、子供のおもちゃで代用できない理由
子供のおもちゃは発達段階にあわせて「遊びながら」様々なことを学んでいけるように工夫がされています。高齢者向けの遊具は「今持っている機能を維持」しながら、損なわれた機能を回復したり、補完したり、代替したりすることで、QOLを確保する必要があります。また長い人生の中で過去の経験を活かしたり、思い出したりすることで、意欲を引き出す効果も期待できます。それには世代に応じたアプローチ、現場の声がとても必要になってきます。
介護遊具の将来。団塊の世代へのアプローチ
これから戦後のベビーブーム世代「団塊の世代」が後期高齢者となりはじめます。健康寿命を延ばし、日常生活に支障が無い形で生きていくためには、やはり何らかの活動をしなければ、やがて要介護になる可能性が高くなってしまします。「団塊の世代が求めているレクリエーション」とはなにか。今後この世代を中心にマーケティングを行い、商品開発をし、介護福祉遊具により、知的好奇心を満足させ、健康寿命を延ばす工夫が求められると切に考えております。
Smile Factoryの、ものづくりの流れ
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介護の現場や展示会から出てきた
様々な意見・視点からアイデアを考えます。「今度こんなん作って」「こういうレクやっているんだけどもう少しこうしたら商品化できんかなあ」というお話をもとにアイデアをもとに具体的な商品にするために、アイデアから考えていきます。
子ども用の知育玩具製作とは違うアプローチが必要ですので、大人が楽しめるということを念頭において、世代感や身体機能、コミュニケーションが生まれるかどうか、など様々な視点から考えていきます。 -
サンプル製作をしたものを持って
施設にモニターをお願いして意見を伺います。実際に遊んでもらって、難しい点や改良したほうが良い点など聞いています。
ゲームにいきいきと楽しそうに参加している様子や、座ってできるからいろんな方が楽しめる、身体を動かしながらみんなで遊んでいる様子から、どんな状態が一番楽しそうか、また付属品が必要かどうかなど、現場に何度も足を運んで確かめ、改良を重ねていきます。 -
納品後も、介護の現場から様々な
意見や要望を聞いて、商品化を考えています。今までもそうですが、時代が移り変わるごとに求められる介護玩具の形も変わってきます。世代ごとに考え方や習慣も変わってきますので、介護玩具もそれにあわせたものに変えていくことが必要です。どんなシチュエーションで、誰がどうやって使うのか、またその効果などをしっかり考えていかなければいけません。それには現場の声が欠かせません。元気に笑って過ごすために、介護玩具を必要とされる方のニーズにこたえていきたいと考えております。